「化学が嫌い」「物理ができない」のはなぜ?

物理や化学に対して「難しそう」「よく分からないから嫌い」という苦手意識を持ってしまう中高生は少なくありません。しかし、ポイントを押さえた勉強法を身につければ、物理や化学は決して特別な科目ではなく、むしろ理解が積み上がるほど得点源になりやすい科目です。
このページでは、物理・化学を嫌いにならないための勉強法を、全体像 → 暗記 → 活用 → 反復という流れで整理して解説します。
勉強そのものの土台については、まず次のコラムも確認しておきましょう。
- 中学生が陥りやすい「よくない」勉強法
- 計画の立て方は『中高一貫校に通う生徒のための勉強計画の立て方』も参考にしましょう。
物理・化学が「苦手」になってしまう理由
物理や化学を苦手と感じる生徒さんの多くに、次のような共通点があります。
- いきなり細かい用語や公式から覚え始めてしまい、全体像が見えていない
- 単位や基本用語が曖昧なまま進んでしまい、問題文の意味そのものが分からない
- 公式を「丸暗記」で済ませてしまい、どの場面で使うべきか判断できない
- 一度解いた問題を解きっぱなしにしてしまい、反復不足で定着しない
こうした状態が続くと、
- 「そもそも何の話をしているのか分からない」
- 「問題文を読んでもイメージが浮かばない」
という感覚になり、物理や化学そのものに苦手意識を持ってしまいます。
ここからは、その苦手意識を和らげ、物理・化学を得意分野に変えていくための具体的な勉強法を順番に見ていきましょう。
物理・化学に苦手意識を持たないための勉強法
① 全体のイメージをつかむ
化学も物理も、いきなり細かい単元ごとに暗記するのではなく、まずは全体としてのイメージをとらえることが大切です。
- 最初はひとつの教材にしぼって読み進める
- じっくり精読するのではなく、まずはざっと通読して大まかな流れをつかむ
- 分からないポイントがあっても、この段階では「とりあえず読む」ことを習慣化する
何度も繰り返し読むうちに、次第に「この単元はこういう話をしている」という骨組みが見えてきます。教材を読んだ後は、
- そこで説明されていた現象を頭の中で想像してみる
- 図やイメージがスッと浮かぶかどうかを意識する
ようにしましょう。
全体像がなんとなくイメージできるようになったら、
- 分野ごと(力学・電気・物質の状態・化学反応…)
- さらに細かい単元ごと
というように、少しずつ細部の理解へと進んでいくと、身構えすぎずに知識が定着していきます。
② 基礎知識(とくに単位)をしっかり暗記する
物理・化学では、基礎知識をどれだけきちんと暗記し、意味を理解しているかがカギになります。中でも最優先は単位です。
- 密度・圧力・熱量など、物理量ごとの単位と意味
- 化学では、周期表・元素記号・価数・物質量(mol)などの基本事項
単位が分かると、
- 「この問題は何と何の関係を聞いているのか」
- 「求めるべき量はどの公式で表されるのか」
が見えやすくなり、問題の意味を理解できるようになります。逆に、単位を理解しないままでは、問題を読むことすら難しくなってしまいます。
暗記方法については、
も参考にしながら、自分に合った方法で進めてみてください。
まずは基礎的な知識と単位・用語を「正しく暗記」することが、その後の応用力にも直結します。
③ 公式を「正しく使える」レベルまで理解する
全体像と基礎知識がある程度おさえられたら、次は公式の理解と活用です。
ここで重要なのは、
- 公式をただ丸暗記しない
- その公式が何を表しているのか
- どんな場面で使う公式なのか
をセットで理解することです。
公式を覚えただけで、使いどころが分からない状態では意味がありません。例えば、
- 力学なら「力・質量・加速度」の関係を図やイメージで理解する
- 化学なら「濃度」「物質量」「質量」の関係を実際の計算例とセットで学ぶ
といったように、公式の導き方や意味を正しく理解し、問題の中で活用できるレベルになるまで演習を重ねていきましょう。
④ 反復練習で知識と解法を定着させる
基礎を覚え、公式の意味も分かってきたら、いよいよ問題演習です。ここで意識したい流れは次の通りです。
- まずは解ける問題だけを一通り解く(分からない問題は一旦飛ばす)
- 解けなかった問題について、どこが原因だったのかを分析する
- そもそも使うべき公式を思い出せなかったのか
- 単位や基礎知識が曖昧だったのか
- 計算ミスだったのか
- 解説を隅から隅までじっくり読む
- 必要であれば教科書・参考書に戻って該当部分を復習する
- 原因を補ったうえで、同じ問題をもう一度解く
このように、
「間違えた問題を解く → 解説を読む → 足りない知識を補う → 再度解く」
というサイクルを何度も繰り返すことで、徐々に
- 問題に対するアプローチの仕方
- 使うべき公式の選び方
が自然と身についてきます。
一度すべての問題を解き終えた後も、
- 時間をおいてもう一度最初から解き直す
- 特に苦手だった単元は重点的に二周目・三周目を行う
といった反復練習を行うことで、知識と解法がしっかりと定着していきます。
当塾での取り組み:物理・化学の苦手克服を完全1対1でサポート
当塾では、完全1対1の個別指導で、生徒さん一人ひとりの状況や目標に合わせた授業を行っています。
『中高一貫校向けのオンライン塾とは』でも紹介している通り、
- 通塾の必要がなく、勉強し慣れた環境で受講できる
- 部活や学校行事に合わせた柔軟な時間設定が可能
- 物理・化学の苦手単元に絞った集中的なフォローができる
といったメリットがあります。物理や化学に強い不安がある場合でも、1対1で丁寧に確認しながら学習を進めることで、少しずつ自信を取り戻すことができます。
まとめ:物理・化学は「全体 → 基礎 → 活用 → 反復」で得意科目に変えられる
最後に、本記事の内容を整理します。
- 物理・化学は、最初から細部にこだわりすぎず、まずは全体のイメージをつかむことが大事
- 単位や周期表などの基礎知識を正しく暗記することで、問題文の意味が理解しやすくなる
- 公式は丸暗記ではなく、意味と使いどころを理解して、問題の中で使えるようにする
- 反復練習によって、「解き方のパターン」と「公式の選び方」が自然と身につく
- 苦手意識が強い場合は、1対1の個別指導やオンライン授業を活用することで効率よく克服できる
物理や化学は、難しく考えすぎてしまうと一気にハードルが高く感じられますが、「とりあえず全体を読む」「基礎を覚える」「公式を使ってみる」「何度もくり返す」という流れを大切にすれば、必ず手応えを感じられるようになります。
解けない問題や分からない部分があっても、焦らずに一つひとつ丁寧に積み重ねていきましょう。物理や化学は、正しいステップで取り組めば必ず味方になってくれる科目です。
講座案内:学校対策 フォローアップコース【英語・数学】
学校の授業進度を毎回確認し、試験日程にあわせた学習カリキュラムを作成した上で授業を進めていきます。
【数学】
どの単元の学習が不十分なのかを見極めて、抜けている内容を補っていきます。学校の進度に十分に追いつくことができれば、先取りコースに変更していくのが理想的です。



