数学の「応用問題が解けない」を脱出する方法|基礎力を得点に変える3つのステップ
中高一貫校の数学で、「基本問題は解けるのに、応用問題になると急に解き方が分からなくなる」ということがあります。この場合、数学のセンスだけが原因とは限りません。
まず確認したいのは、基本の理解・条件の読み取り・途中式・応用演習のどこでつまずいているかです。この記事では、応用問題が解けない原因の見分け方から、基本の戻り方、初見問題への取り組み方まで順番に解説します。
中高一貫校の数学は、一般的な公立校に比べて進度が速く、扱う問題の抽象度も高くなります。定期テストでは点数が取れていても、実力テストや模試の初見問題で急に解けなくなるケースは少なくありません。
大切なのは、「応用問題が苦手」とひとまとめにしないことです。計算や公式でつまずいているのか、問題文から条件を拾えないのか、解き方は分かっていても途中式で間違えるのかによって、見直す内容は変わります。
まず確認|応用問題が解けない原因はどこにある?
最初に、今のつまずきがどのタイプに近いか確認してみましょう。すべてに当てはまる必要はありません。普段の問題演習やテストを振り返り、特に多いものを探します。
基本の理解
よくある状態:公式は覚えているが、意味や使い方を説明できない
まず確認:教科書の定義・公式・基本例題
条件の読み取り
よくある状態:計算はできるが、文章題や図形で最初の式を作れない
まず確認:問題文の条件、図・表への書き込み
途中式
よくある状態:考え方は合っているのに、符号や分数処理などで間違える
まず確認:途中式を省略せず、間違えた位置を確認
応用演習
よくある状態:基本問題は自力で解けるが、問題の形が変わると使う知識を選べない
まず確認:基本問題と応用問題のつながり、同分野の類題
基本問題でも解き方が分からなくなるなら、まずはその単元の基礎に戻ります。一方、基本問題は自力で解けるのに初見問題だけ解けないなら、難しい問題を増やす前に「どの条件から、どの基本事項を使うのか」を結びつける練習が必要です。
中高一貫校の数学で応用問題が難しく感じる理由
中高一貫校では、難度の高い内容を速いペースで進めるカリキュラムが組まれていることが多くあります。そのため、基本事項を学んでから、それを使いこなす練習を十分にする前に次の内容へ進むことがあります。
応用問題では、単に公式を覚えているだけでなく、問題文から条件を読み取り、使う知識を選び、途中式に落とし込む力が求められます。
- 公式は覚えているが、どの場面で使うか判断できない
- 計算はできるが、文章題や図形問題で条件を拾い切れない
- 途中式が少なく、自分がどこで間違えたか分かりにくい
- 単位や符号、分数処理で細かいミスが出る
- 基本問題と応用問題のつながりが見えていない
つまり、「応用問題ができない」という結果が同じでも、原因は一人ひとり異なります。自分の原因に合わない勉強を続けても改善しにくいため、まずはどの段階で解けなくなるのかを確認することが重要です。
数学全体・幾何・代数のどこで困っているかも確認する
応用問題だけでなく数学全体に苦手意識がある場合は、応用演習より先に学習方法そのものを見直した方がよいことがあります。
- 数学全体で何から勉強すればよいか分からない場合は、数学ができない学生向けの学習法を確認してください。
- 図形の条件整理や証明、相似などでつまずきやすい場合は、数学(幾何分野)が中々出来ない生徒さん向けの勉強法が参考になります。
- 方程式、展開、因数分解などの計算過程でつまずきやすい場合は、数学(代数分野)が中々出来ない生徒さん向けの勉強法もあわせて確認してください。
応用問題へ進む前に確認したい3つの土台
原因を確認したら、次は応用問題を解くための土台ができているかを見ます。特に「基本問題はできているつもり」という場合は、正解したかだけではなく、理由まで説明できるかがポイントです。
1. 教科書の定義・公式・単位を説明できるか
応用問題でつまずくと、難しい問題集を増やしたくなることがあります。しかし、教科書の定義や公式の意味があいまいなままだと、問題文の条件を正しく使えません。
- 公式を丸暗記しているだけで、意味を説明できない
- 速さ・濃度・密度など、単位を伴う量の扱いが不安定
- 図形の長さ・面積・体積の違いが混ざる
- 文字式や方程式で、何を文字に置いたのかが不明確になる
特に中高一貫校の数学では、次の単元に進むまでの時間が短いため、教科書レベルの理解が浅いまま応用問題へ進んでしまうことがあります。まずは、定義・公式・単位を自分の言葉で説明できるか確認しましょう。
2. 基本問題を解説なしで再現できるか
「一度解いたことがある」と「自力で解ける」は別です。応用問題が解けないときは、基本問題をもう一度、解説や例題を見ない状態で解いてみます。
- 例題を見ずに基本問題を解けるか
- 途中式を省略せずに書けるか
- 符号、移項、分数処理でミスがないか
- 解き終わった後に、なぜその式を立てたか説明できるか
ここでつまずく場合は、応用問題に進む前にその単元へ戻った方がよいでしょう。応用問題の多くは、基本事項を複数組み合わせたり、条件の見せ方を変えたりして作られているためです。
3. 途中式を残し、間違えた場所を確認できるか
応用問題では、答えだけを見ても原因が分かりません。途中式や図を残しておけば、「考え方」「式の立て方」「計算」のどこでズレたのかを切り分けやすくなります。
- 問題文から拾った条件を書き出す
- 図形問題では図に数値や角度を書き込む
- 方程式では、何を文字にしたかを明記する
- 分数や符号の変化を一行ずつ残す
途中式を残す習慣がつくと、解き直しも「もう一度解くだけ」ではなく、間違えた原因を直す作業に変わります。
基本問題は解けるのに応用問題で困るときの進め方
基本事項に大きな問題がない場合は、「知っている解き方を、初めて見る問題にどう使うか」という段階を練習します。ここでは、問題数を増やすことより、基本と応用のつながりを確認することが重要です。
1. 基本問題と応用問題のつながりを探す
応用問題は、まったく別の問題に見えても、使っている知識は基本問題とつながっています。解説を読むときは、答えの流れだけでなく「どの基本事項を使っているのか」を確認します。
- この問題で使っている公式は何か
- 基本問題のどの考え方が使われているか
- どの条件から式を作っているか
- 図や表を使う必要があるか
たとえば、基本的な速さの問題では「速さ・時間・距離」の関係をそのまま使えることがあります。しかし応用問題では、「途中で速さが変わる」「2人が別の場所から出発する」といった条件が加わり、問題文から必要な時間や距離を分けて考える必要があります。
このとき、新しい公式が必要なのではなく、基本で学んだ関係を、追加された条件に合わせて使い分けています。「知らない問題」と考えるのではなく、「知っている基本事項のどれを使う問題か」と考えることが応用への入口です。
2. 解説では最初に何を考えているか確認する
応用問題の解説を読んだときに、「読めば分かるのに、自分では解けない」という場合があります。この場合、計算の流れだけを追っている可能性があります。
確認したいのは、解説で最初に何を考えているかです。
- 最初に使っている条件は何か
- なぜその文字を置いたのか
- なぜ補助線を引いたのか
- なぜその公式を選んだのか
解説を読んだ後は、いったん閉じて、同じ問題を最初から自分で解き直します。答えを覚えるのではなく、問題文を読んで最初に何を考えるかを自分で判断できるようにすることが目的です。
3. 同じ分野の問題を続けて解く
1問ずつ異なる単元を解くより、同じ分野の問題をいくつか続けて解く方が、考え方の共通点を見つけやすくなります。
- 一次関数なら、グラフ・式・交点・面積を関連づける
- 図形なら、合同・相似・角度・面積比を関連づける
- 方程式なら、文章題・割合・速さ・整数問題をつなげる
- 確率なら、場合分けと表の作り方を確認する
同じ知識が問題によってどう使われ方を変えるのかを見ることで、初見問題でも「以前解いた問題との共通点」を探しやすくなります。
4. 初見問題は「どこまで自力で進めたか」で振り返る
初めて見る問題では、最後まで解けないこともあります。その場合でも、「解けなかった」で終わらせず、どこまで自力で進めたかを確認しましょう。
- 問題文の条件を書き出せたか
- 図や表に置き換えられたか
- 使う公式や考え方を選べたか
- 途中式までは作れたか
- 計算だけでミスをしたのか、考え方から違ったのか
「条件までは整理できたが式を作れなかった」のか、「式は正しかったが計算で間違えた」のかでは、次に取り組む内容が異なります。初見問題への対応力は、問題数だけでなく、この振り返りを繰り返すことで身につけていきます。
自分で見直しても原因が分からないときは
教科書や基本問題に戻ることで改善できるケースもあります。一方で、次のような状態では、自分だけでは「どこまで戻ればよいか」を判断しにくいことがあります。
- 基本問題は解けるのに、学校の定期テストや実力テストでは応用問題になると解けない
- 解説を読めば理解できるが、次の初見問題では同じ考え方を使えない
- 複数の単元が関係していて、どの単元から復習すればよいか分からない
- 学校の授業進度が速く、復習している間にも次の単元へ進んでしまう
- 学校教材に合わせて、定期試験対策と苦手単元の復習を進めたい
このような場合は、問題の正解・不正解だけでなく、途中式や考え方を見ながら、つまずいている段階を確認することが重要です。
中高一貫校の数学について、学校の進度や定期試験対策も含めて指導内容を確認したい場合は、中高一貫校数学の個別指導の全体像をご覧ください。
応用問題でよくあるつまずき別の見直し方
ここからは、実際の答案で起こりやすいつまずきを、文章題・図形・代数に分けて確認します。自分が間違えやすい分野から読むだけでも構いません。
文章題|計算ミスではなく式の立て方に原因がある
答えが合わないとき、すぐに計算ミスと考えるのではなく、式を立てた段階から確認します。特に文章題では、条件の読み落としや単位の取り違えが原因になりやすいです。
- 求めるものを正しく文字に置いたか
- 問題文の条件をすべて使ったか
- 単位をそろえてから式を作ったか
- 割合や比の基準を取り違えていないか
図形|図を見るだけで終わらせない
図形問題では、図を見るだけでなく、分かっていることを図に書き込むことが大切です。
- 等しい辺や角に印をつける
- 相似になりそうな三角形を探す
- 面積比や長さの比を書き込む
- 補助線を引く理由を確認する
図に情報を入れることで、問題文だけを読んでいたときには見えなかった関係を整理しやすくなります。
代数|途中式の省略が多い
代数では、符号、移項、分母払い、展開、因数分解などの小さな処理が積み重なります。途中式を省くと、ミスの原因が分かりにくくなります。
- 符号が変わる場所をはっきり書く
- 分母払いの後に各項へ正しくかける
- 展開と因数分解を混ぜずに一行ずつ進める
- 答えを代入して確認する
当塾での取り組み|中高一貫校の数学を1対1で確認
自分で復習しても原因を特定しにくい場合は、実際の答案や学校教材を見ながら、どの段階でつまずいているかを確認する方法があります。当塾では、中高一貫校の進度や教材も踏まえながら数学の学習を進めています。
完全1対1の個別指導
当塾では、完全1対1の個別指導で、一人ひとりの状況や目標に合わせた授業を行っています。
- 学校の進度に合わせた先取り学習
- 苦手単元の復習
- 定期テスト前の対策
- 実力テストや模試に向けた応用問題演習
「どこから戻ればよいか分からない」「基本問題はできるのに応用問題だけ解けない」といった悩みに対しても、途中式や考え方を確認しながら指導します。
学校教材に合わせた学習にも対応
中高一貫校では、学校ごとに進度や使用教材が異なります。学校の内容と塾の学習内容が離れすぎると、定期テストの得点につながりにくくなることがあります。
当塾では、学校の教材や授業内容に合わせて、必要な単元を確認しながら学習を進めます。学校の問題集、配布プリント、定期テストの出題傾向を見ながら、今必要な対策を行います。
体系数学を使っている学校の学習で悩んでいる場合は、体系数学の対策ページも参考にしてください。
オンラインでも受講可能
当塾では、教室での授業と同様の内容を、オンラインでも受講できます。
- 通塾の時間を減らせる
- 自宅で学校教材を手元に置いて受講できる
- 途中式や解き方を画面越しに確認できる
- 全国どこからでも受講できる
オンライン授業の詳細については、オンライン授業の案内をご覧ください。
数学の応用問題が解けないときのよくある質問
基本問題は解けるのに、応用問題が解けないのはなぜですか?
基本事項を知っていても、問題文の条件と知識を結びつけられないと、応用問題では解き方を判断しにくくなることがあります。まずは「どの条件から、どの公式や基本事項を使うのか」を解説で確認し、同じ問題を解説なしでもう一度解いてみましょう。
応用問題が解けないときは、何から復習すればよいですか?
最初に、その単元の基本問題を解説なしで解けるか確認します。基本問題でも解けない場合は、教科書の定義・公式・例題まで戻ります。基本問題を自力で解ける場合は、応用問題と基本事項のつながりや、条件の読み取り方を重点的に確認します。
解説を読めば分かるのに、自分では解けません。どうすればよいですか?
解説の計算過程だけでなく、「最初にどの条件へ注目したか」「なぜその式や補助線を使ったか」を確認してください。その後、解説を閉じて最初から解き直すことで、答えではなく考え方を再現できるか確認します。
中高一貫校の数学で、どこまで自分で復習すればよいですか?
まずは教科書や基本問題に戻り、どの段階で解けなくなるかを確認します。それでも原因が分からない場合や、複数単元にまたがってつまずいている場合、学校の進度が速く復習範囲を決めにくい場合は、実際の教材や答案をもとに学習範囲を整理する方法もあります。
まとめ|応用問題は「どこでつまずいたか」を分けて見直す
数学の応用問題が解けないときは、いきなり難しい問題を増やすのではなく、まず原因を分けて確認することが大切です。
- 教科書の定義・公式・単位を説明できるか確認する
- 基本問題を解説なしで解けるか確認する
- 途中式を残し、どこで間違えたか分かるようにする
- 基本問題と応用問題で共通している知識を探す
- 解説では、最初に何を考えているかを確認する
- 初見問題では、どこまで自力で進めたかを振り返る
応用問題が解けないからといって、すべての基礎を最初からやり直す必要があるとは限りません。「基本」「条件の読み取り」「途中式」「応用演習」のどこでつまずいているのかを確認すると、次に取り組む内容を絞りやすくなります。
まずは、今解けなかった問題を一つ取り出し、どの段階まで自力で進めたかを確認してみましょう。学校教材や定期試験も含めて、どこから学習を組み直すべきか確認したい場合は、中高一貫校数学の個別指導の全体像もご覧ください。



