数学を見ると脳が拒絶する理由と抜け出し方──「数学恐怖症」から抜ける3ステップ
「数学だけどうしても点数が伸びない」「問題を見るだけでイヤな気持ちになる」──そんな状態が続いていると、「自分は数学ができない」と決めつけてしまいがちです。しかし、その背景には脳が数学に対して“恐怖”を感じていることが大きく関わっています。
この記事では、なぜ数学が怖くなるのか(原因)と、その恐怖心を和らげるための具体的な対処法を整理して解説します。数学そのものの才能ではなく、考え方と取り組み方を見直すことで、状況は必ず変えていくことができます。
数学ができないのは「脳が恐怖を感じている」から
数学がうまくいかないとき、多くの生徒さんは次のような経験をしています。
- テストで見たこともないような点数をとってしまった
- 問題を見ても解き方がまったく浮かばず空欄のままにしてしまった
- 理解できないまま授業だけが進んでいく感覚を何度も味わった
こうした経験が続くと、脳は数学に対して
- 「また失敗するかもしれない」
- 「どうせやっても無理だ」
といった“恐怖”や“拒否反応”を覚えるようになります。この状態になると、問題を解く前から思考が止まりやすくなり、結果としてますます数学ができない…という悪循環に陥ってしまいます。
この悪循環から抜け出すための第一歩は、「なぜ自分は数学が怖いのか」原因を言語化することです。
数学ができない原因を追究する
まず最初に取り組むべきは、自分の「つまずきポイント」をハッキリさせることです。
よくある「恐怖の原因」例
数学に対して恐怖を感じる原因には、次のようなものが考えられます。
- 特定の単元(例:一次関数・証明・図形など)で大きくつまずいた経験がある
- その単元が原因で、テストの点数が大きく下がってしまった
- 授業中に理解できないまま進み続け、「自分だけ分からない」という焦りを感じた
- 解き方がまったく浮かばず、問題を白紙で出した経験が何度もある
こうした経験が積み重なることで、数学を見るだけで脳が「危険」「失敗」と判断し、強い苦手意識につながっていきます。
原因を言葉にして整理する
恐怖心を和らげるためには、まず次のようなステップで原因を整理してみましょう。
- 「どの単元から分からなくなったか」を具体的に書き出す
- 「どのテスト・どの問題で大きく失敗したか」を思い出す
- 「授業のどのあたりからついていけなくなったか」を振り返る
数学ができないと感じる原因を追究し、見える形にすることで、恐怖心は少しずつ整理されていきます。原因がぼんやりしたままだと、いつまでも漠然と「数学=こわい」のままですが、言葉にできれば「どこからやり直せばいいか」が見えてくるようになります。
原因を解決していくための具体的なステップ
原因がある程度見えてきたら、次はその根本をつぶしていく作業に入ります。
① つまずいた単元を「基礎」からやり直す
恐怖の元になっている単元が特定できたら、
- 教科書・問題集を使ってその単元の基本問題からやり直す
- 説明を飛ばさず、「なぜそうなるのか」を意識しながら解き直す
- 関連する過去の単元(例:方程式 → 文字式、関数 → 比例・反比例など)にも戻る
といった形で、原因となる部分を一つずつ解きほぐしていきましょう。
② 関連単元もセットで見直す
数学は単元どうしがつながっているため、
- 「この分野は分かっているつもり」
でも、実は
- その前の単元があいまい
- 周辺分野の理解が浅い
というケースが少なくありません。
原因となる単元だけでなく、そこに「付随する単元」「基礎となる単元」も合わせて確認することで、土台から立て直すことができます。
③ 焦らず「反復演習」で定着させる
原因となる部分が見えてきたら、あとは反復演習で定着させる段階です。
- 焦ることなく同じタイプの問題を何度も解き直す
- 間違えた問題には必ず印をつけて、後日もう一度解き直す
- 解答・解説を読んだあとに、自分の言葉で説明できるかを確認する
何度も反復することで脳が整理され、数学に対する恐怖心も徐々に薄れていきます。すぐに理解できなくても、反復を前提とした学習を続けていけば、少しずつ「分かる」「解ける」経験が積み重なり、苦手意識も和らいでいきます。
数学への「拒否反応」をなくすために大切なこと
数学に対する拒否反応をなくすためには、次のポイントを意識してみてください。
- 原因を追究し、その根本を解決する意識を持つ
- 公式をただ暗記するのではなく、使えるようになるまで問題演習をする
- 「すぐに覚えられないのは当たり前」と考え、焦らず繰り返す
- 毎日少しでも数学に触れる時間をつくり、まずは「慣れる」ことを目標にする
公式や解き方は、使ってはじめて「本当に覚えた」と言える状態になります。できないからといって一気に完璧を目指すのではなく、
- 「昨日より少し解ける問題が増えた」
- 「前より苦手意識が小さくなった」
といった小さな変化を積み重ねていくことが大切です。
まとめ:恐怖の原因を見つけて、反復演習で乗り越える
数学ができないと感じるとき、その裏側では脳が「数学=怖いもの」と判断していることが多くあります。
- テストでの失敗や、授業についていけなかった経験が恐怖の原因になっている
- まずは「どこから分からなくなったのか」原因を追究することが出発点
- 原因となる単元とその周辺分野を、基礎からやり直し+反復演習で解消していく
- 何度も反復することで脳が整理され、数学への恐怖心は少しずつ薄れていく
- 公式の丸暗記ではなく、問題を通して「使える形」で身につけることが重要
数学に触れ続ける習慣をつくり、「まずは慣れること」から一歩ずつはじめていきましょう。恐怖心の正体を知り、原因に正面から向き合うことで、「数学は絶対に無理」という思い込みは必ず変えていくことができます。
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