数学が出来ないと理系へは進めないのか?
「理系に進みたいけれど、数学が出来ない…」「理系なのに数学が苦手で、このまま大学に受かるのだろうか?」と不安を抱えている高校生は少なくありません。
本ページでは、「数学が出来ないと理系へは進めないのか?」という不安に答えつつ、数学が苦手でも理系をあきらめずに進路を選ぶポイントと、今から出来る具体的な勉強法を整理します。
数学が出来ないと理系へは進めないのか?
理系を選択すると、多くの場面で数学の重要性を痛感するはずです。授業の内容、定期テスト、大学入試科目…。そのたびに、
- 「理系なのに、数学が出来ないとだめなのではないか?」
- 「このままだと大学に受からないのではないか?」
と不安になることも多いでしょう。
一方で、理系科目(物理・化学・生物・地学など)が好きだから理系を選んだという人も多くいます。
「数学が苦手=理系失格」ではありません。重要なのは、
数学が出来ないからといってあきらめず、自分に合ったレベルから勉強を続けていくことです。
数学が出来ない・不得意であると感じているからこそ、今から出来ることを一つずつ積み上げれば十分に挽回は可能です。
理系に進むと数学の重要性を痛感する理由
理系進学後、数学の重要性を感じる場面はさまざまです。
- 高校数学そのものが入試の主要科目になる
- 物理・化学など他の理系科目の理解に数学が必要になる
- 大学に進学してからも、統計・微積分などの数学的な考え方が求められる
そのため、理系を選んだ以上、数学から完全に逃げきることはできません。しかし、それは「難問ばかりを完璧に解けなければならない」という意味ではなく、
- 基礎をしっかり身につけ、授業で扱うレベルを理解できる力を育てる
- 自分が目指す学部・学科に必要なレベルを見極める
という姿勢が重要だということです。
数学が苦手でも理系をあきらめなくてよいケース
「数学がとにかく重い」分野(数学科・物理学科・一部の工学系など)もあれば、高度な数学をそこまで日常的に使わない理系分野もあります。
数学が極端に難しくない理系分野もある
たとえば、学部や学科によっては、
- 高校数学の基礎レベルを押さえていれば授業についていける分野
- 統計やデータ処理が中心で、高度な微分方程式などはあまり扱わない分野
- 実験・観察・フィールドワークが重視される分野
など、「数学が超得意でなくても活躍できる理系領域」があります。
もちろん、どの分野でもある程度の数学的素養は必要ですが、
不得意分野を「基礎レベルまではできる」状態に高めておけば、授業の理解や大学での学びに十分対応できるケースは少なくありません。
自分の進路と必要な数学レベルを把握する
大切なのは、
- 行きたい学部・学科の入試でどのレベルの数学が必要かを調べる
- 必要なレベルと現在の自分の実力のギャップを把握する
- そのギャップを埋めるために、具体的な勉強計画を立てる
という流れを踏むことです。
「数学が苦手だから理系は無理」と決めつける前に、情報を集めて戦略を立てることが重要です。
数学が出来ないと感じたときの基本戦略
1. まずは基礎固めを徹底する
数学が苦手な多くのケースで共通しているのは、
- 計算力の不足
- 公式・定理の理解があいまい
- 「なぜそうなるか」を追わずに丸暗記で済ませている
といった、ごく基本的な部分の抜けです。
そのため、背伸びをして難しい問題に挑戦する前に、
- 教科書レベルの例題・基本問題を完璧にする
- 計算、因数分解、方程式などの頻出分野を毎日少しずつ繰り返す
- 公式を「覚える+なぜそうなるのか」をセットで理解する
といった基礎固めから着手することが何よりも大切です。
2. 自分のレベルに合った問題集を選ぶ
数学が出来ないと感じる人ほど、
- 学校や周囲に合わせてレベルの高すぎる問題集を使っている
- 解説が難しすぎて読み切れずに挫折してしまう
といった状況に陥りがちです。
そこで、
- 「解説が読みやすい」「例題が丁寧」な基礎〜標準レベルの問題集をメインにする
- 最初から全部を完璧にしようとせず、同じレベルの問題を繰り返して定着させる
という方針に切り替えましょう。
自分のレベルに合った勉強を継続させていくことが最短ルートです。
3. 「わからない」を放置しない仕組みをつくる
数学が出来ないままになってしまう最大の原因は、
- 「その場しのぎ」でテストを乗り切る
- わからないまま答案を書いて、見直しをしない
- 解説を読まず、「時間がないから」と飛ばしてしまう
といった「放置癖」です。
これを断ち切るために、
- 解けなかった問題には必ず印をつける
- 解説を読み、「どこから間違えたのか」を必ず確認する
- 同じ問題を翌日・1週間後に解き直す
という「復習の仕組み」を用意しておくと、少しずつ苦手意識が薄れていきます。
4. 継続できる学習ペースを守る
一気にたくさんやろうとしても、数学はすぐには伸びません。重要なのは、
- 毎日15〜30分でもよいので数学に触れる時間を確保する
- 「休日に3時間やる」よりも「毎日30分」のほうが定着しやすい
- 同じ問題集を何周も回す習慣をつくる
といった継続重視のスタイルです。
数学が出来ないとあきらめずに勉強を続けることが大切という原則を、日々の行動で体現していきましょう。
不得意分野を「解ける」に変える具体的ステップ
理系を目指しつつ数学が苦手な場合、特に意識したいのが不得意分野の克服です。
苦手分野の洗い出し
- 模試や定期テストの結果を見直し、平均点との差が大きい単元をチェックする
- 「なんとなく苦手」ではなく、「二次関数」「図形と証明」「確率」など具体的に挙げる
苦手単元にしぼった集中的なトレーニング
- 苦手単元だけを扱った問題集・講座を利用する
- 最初は例題レベルを完璧に解ける所まで繰り返す
- 次に基本問題→標準問題と少しずつレベルを上げていく
「わかる」から「できる」へ
解説を読んで「わかったつもり」になっていても、
- 自力で最初から最後まで解けるか
- 数日空けても同じ問題を再現できるか
という段階まで到達していないことが多いものです。
「わかる」と「できる」の間には、必ず「繰り返し練習」の橋渡しが必要だと意識しておきましょう。
関連コラム
さらに具体的な勉強法については、以下のコラムもあわせてご覧ください。
まとめ:数学が出来ない=理系をあきらめる理由にはならない
ここまでの内容を整理すると、次のようになります。
- 理系に進むと数学の重要性を強く感じるが、数学が苦手だからといって理系進学が不可能になるわけではない
- 学部・学科によって求められる数学レベルは異なり、高度な数学を必須としない理系分野もある
- 大切なのは、基礎固めを徹底し、自分のレベルに合った問題集で勉強を継続すること
- 不得意分野を放置せず、「わからない」を「できる」に変える復習サイクルを回すことが重要
- 数学が出来ないとあきらめずに勉強を続ける姿勢こそが、理系で学び続けるための一番の武器になる
「理系なのに数学が出来ない…」と悩んでいるあなたへ。
今の時点で完璧に解けなくても構いません。今日からの一歩ずつの積み重ねが、半年後・1年後の自分の実力を大きく変えていきます。
あきらめる前に、まずは自分に合ったレベルの問題集を手に取り、基礎からやり直していきましょう。

