数学が極端に苦手な人へ|イメージできない原因とラクに理解するための考え方
「数学だけ異常にできない気がする」
「問題文の意味が入ってこない」
「解説を見れば分かるのに、テストだと式にできない」──
この状態が続いているなら、苦手の中心は計算ではなく、状況を“数の関係”に置き換えるところにあるかもしれません。
数学は、文章で書かれた条件を、図・表・式のどれかに移し替えてはじめて考えやすくなります。ところが、数字・条件・関係が頭の中でつながらないまま式だけ追うと、公式を知っていても「どれを使うか」「どう式を作るか」で何から書けばよいか分かりにくくなります。
ここでつまずくと、努力量のわりに結果が出ず、数学へのストレスも増えていきます。
この記事では、数学が“意味不明”に感じるときに、頭の中で何が起きているかを整理したうえで、数値・関係・求めるものを見える形にして、図表→式へつなげるための視点と練習の焦点をまとめます。
数学全体の見直し方や、中高一貫校での定期試験・受験まで含めた進め方を整理したい方は、中高一貫校の数学対策の全体像もあわせて確認してください。
数学だけできないと感じるときに分けて考えたいこと
国語や英語、理科や社会はある程度できるのに、数学だけ極端に苦しく感じる生徒さんもいます。この場合、能力全体の問題と決めつけるのではなく、数学のどの段階で苦しくなっているのかを分けて見ることが大切です。
数学では、問題文を読んだあとに、条件を関係として整理し、それを図・表・式に置き換える必要があります。暗記や読解で進めやすい教科と違い、読んだ内容を数の関係に変換する負荷が大きいため、他教科とは違うつまずき方をすることがあります。
- 計算でつまずく(四則計算、分数、小数、符号、式変形でミスが増える)
- 文章を式にできない(何を文字にするか、どの条件を使うかが見えない)
- 図やグラフが読めない(長さ、角度、変化、対応関係を見つけにくい)
- テスト中に再現できない(解説では分かるが、初見では解き出せない)
特に「解説を読むと分かるのに、自分では式が作れない」という場合は、単元そのものよりも、式にする前の整理の流れを見直す必要があります。
また、小学校の算数で扱う割合・速さ・単位換算・図形の感覚があいまいなまま中学数学に入ると、文字式や方程式で急に難しく感じることがあります。小学校内容に戻って確認することは後退ではありません。むしろ、式にするための基礎を見直すうえで大切な確認になります。
数学がイメージできないときに起きていること
「数学が苦手」「なぜ数学ができないのか」と感じるとき、実際には“計算力”よりも“状況を式に落とす力”で詰まっているケースが目立ちます。
特に次の症状が出ていると、公式を知っていても使いにくくなります。
- 立式で解き出しにくい(何を文字にして、どの関係式を作るかが見えない)
- 公式の選択で判断しにくい(似た公式が頭の中で並び、どれが該当するか判断できない)
- 条件整理ができない(与えられた情報の「重要/不要」「順番」「対応」が混ざる)
逆に言えば、ここを直すと「数学が極端に苦手」「頭が真っ白になる」といった状態は改善しやすくなります。
数学ができない理由は「式にする前の整理」でつまずくこと
数学が苦手だと感じている生徒さんの多くは、数字や記号、公式を「ただの記号」として見てしまい、その裏にある意味や場面を結びつけられていないことがあります。
たとえば、文章題であれば「何を求めるのか」「何が分かっているのか」「どの条件同士が関係しているのか」を整理する必要があります。図形であれば、長さ・角度・面積の関係を図の中に書き込む必要があります。関数であれば、表・グラフ・式が同じ状況を表していることを見抜く必要があります。
| つまずきやすい場面 | 起きていること | 見直し方 |
|---|---|---|
| 文章題 | 条件を読んでも、何を式にすればよいか分からない | いきなり式を作らず、求めるものと分かっていることを分ける |
| 図形 | 図を見ても、どの長さや角度に注目すればよいか分からない | 等しい長さ、等しい角、平行、垂直を図に書き込む |
| 関数 | 式・表・グラフが別々のものに見えてしまう | 表の増え方、グラフの傾き、式の係数を対応させる |
| 定期テスト | 解説を見れば分かるが、初見では解き出せない | 途中式だけでなく、最初に何を考えたかを確認する |
数学にストレスを感じてしまう背景
数学は、
- 多くの公式や定理を覚える必要がある
- それらを適切な場面で使い分ける判断が求められる
- 論理的に筋道を立てて考える習慣が必要
といった特徴を持つ科目です。
そのため、もともと「どこから考えればよいか分からない」と感じている人にとっては、問題を見るだけでプレッシャーを感じたり、「どうせ自分には無理だ」と考えが進みにくくなったりしやすくなります。
こうした状態が続くと、テストのたびに「また解けないかもしれない」という不安が強まり、数学=ストレスの源というイメージが定着してしまいます。
文章題を表から式へつなげる具体例
「数値・関係・求めるものに分ける」と言われても、実際に何を書けばよいか分かりにくいことがあります。ここでは、一次方程式の文章題を例に、いきなり式にしない流れを確認します。
文章題では、図にした方が分かりやすい問題もあれば、表にした方が関係を整理しやすい問題もあります。年齢や代金、人数のように対応関係を並べたいときは、表に移すと式へつなげやすくなります。
例:兄と弟の年齢の合計は24歳です。兄は弟より4歳上です。弟の年齢を求めます。
式にする前に書き出す3つの情報
| 分ける情報 | 例題で見る内容 | 書き出し方 |
|---|---|---|
| 数値 | 24歳、4歳 | 分かっている数をそのまま抜き出す |
| 関係 | 兄と弟の年齢の合計、兄は弟より4歳上 | 合計、差、倍、同じ、増える、減るなどに注目する |
| 求めるもの | 弟の年齢 | 何を文字にするかを決める |
次に、言葉で分けた内容を表に移します。
| 人物 | 年齢の表し方 | 理由 |
|---|---|---|
| 弟 | x歳 | 求めたい年齢を文字で置く |
| 兄 | x+4歳 | 兄は弟より4歳上だから |
| 合計 | 24歳 | 兄と弟の年齢の合計だから |
この表から、弟の年齢をx歳と置くと、兄の年齢はx+4歳と表せます。年齢の合計が24歳なので、次の式につながります。
x+(x+4)=24
この式を解くと、x=10となるため、弟の年齢は10歳です。
大切なのは、最初から式を思いつこうとしないことです。「弟をx歳にする」「兄はそれより4歳上」「2人の合計が24歳」という順番で、言葉を少しずつ表に移してから式にすると、何をしているのかが見えやすくなります。
解答そのものよりも、問題文をどう分けたかを確認すると、似た問題でも再現しやすくなります。
計算できない式に見えるときの確認ポイント
「計算できない式」と感じるときも、実際にはいくつかの原因に分かれます。すべてを「計算力不足」と考えると、練習の方向がずれてしまうことがあります。
| 状態 | 起きていること | 見直すポイント |
|---|---|---|
| 計算ミスが多い | 符号、分数、小数、移項などで間違える | 途中式を省略せず、前の行から何が変わったかを見る |
| 式の意味が分からない | その式が何を表しているのか説明できない | 文字や数字が何を表すかを言葉で書く |
| どの式を作ればよいか分からない | 問題文の条件と式がつながらない | 求めるもの、分かっている数、関係を先に整理する |
| 式変形の途中で見失う | 前の行と次の行のつながりが分からなくなる | 何のために変形しているのかを確認する |
式が難しく見えるときほど、「この式は何を表しているのか」「この文字は何を表しているのか」「前の行から次の行で何が変わったのか」を確認すると、つまずきやすい場所が見えやすくなります。
式を作る前に、公式が何を表すか確認する
数学の苦手意識を克服するためには、単に問題量をこなすだけでは不十分です。大切なのは、公式や解き方を覚える前に、その式が何を表しているのかを確認することです。
数学ができない人の多くは、
- 公式や数式を理由抜きで丸暗記してしまう
- 「なぜその形になるのか」「どんな場面で使うのか」を考える余裕がない
という状態になりがちです。
しかし、公式が出来上がるまでの過程や理由を自分の言葉で説明できるようになると、次のような変化が起こります。
- 問題の形が少し変わっても、本質が同じであることに気づきやすくなる
- 「覚えておくべきポイント」と「考えれば導ける部分」の区別がつく
- 応用問題でも、どの条件を使えばよいか判断しやすくなる
テスト中に頭が真っ白になったときの見直し方
「急に何も思い浮かばない」というときは、能力の問題というより条件整理がうまくいっていないことがほとんどです。次の流れで見直してください。
- ゴールを一文で言い換える(何を求める問題かを短く書く)
- 与えられた条件に下線を引き、役割を分ける(数値/関係/求めるもの)
- 図・表・グラフのどれが一番早いかを決めて1つだけ書く(まず1枚で状況を整理する)
たとえば、問題を読んだ瞬間に公式を探してしまう場合は、いったん「何を求める問題か」を先に書きます。途中で何を求めていたか分からなくなる場合は、式の横に「これは合計を表している」「これは差を表している」のように短くメモすると、考えが戻りやすくなります。
この「決める」ができると、公式の選択が楽になります。
図表から式へつなげる練習の進め方
「図を描こう」と言われても何から書けばよいか分かりにくい場合は、次の流れで決めると続けやすくなります。
- ①問題文の条件を3つに分類する(数値/関係/求めるもの)
- ②図・表・グラフのどれを使うか1つだけ決める
- ③“何を表した図か”を一言で書いてから描く(目的がぶれない)
- ④式は最後にする(見える化→立式の流れで進める)
特に中高一貫校の数学では、進度が速く、問題集の量も多くなりやすいため、「解き直しをする」だけでは原因が見えにくいことがあります。学校教材を使いながら、どの問題で条件整理がうまくいっていないかを確認することが大切です。
体系数学などの学校教材を使って定期テスト対策を進めたい場合は、体系数学問題集の進め方と定期テスト対策法も確認しておくと、復習の優先順位を考えやすくなります。
また、中1の文字式・方程式・図形で早い段階からつまずいている場合は、中1数学の文字式・方程式・図形対策のように、単元ごとに原因を切り分けて見直すことも有効です。
図形問題でイメージできないときの見方
図形問題では、図を眺めるだけではなく、問題文にある条件を図の中へ移すことが大切です。特に次の情報は、見落としやすいので印をつけて確認します。
- 等しい長さ
- 等しい角
- 平行な線
- 垂直な線
- 面積や比に関係する部分
- 補助的に引くと見えやすくなる線
「図の中にすでに示されている条件」と「問題文に書かれている条件」を分けて考えると、どこに注目すればよいかが整理しやすくなります。たとえば、平行線がある問題では、同位角や錯角が使える可能性があります。等しい長さがある問題では、二等辺三角形や合同に関係する可能性があります。
このように、図形でも最初から解法を探すのではなく、条件を図に書き込む作業から始めると、次に使う考え方が見えやすくなります。
関数で表、グラフ、式が別々に見えるときの考え方
関数が苦手な場合、表・グラフ・式を別々に覚えようとして混乱することがあります。しかし、これらは別の内容ではなく、同じ変化を違う形で表しているものです。
たとえば、xが1増えるたびにyが2増える関係では、表では「yの増え方」、グラフでは「傾き」、式では「xの係数」に注目します。
| 見るもの | 注目するところ | 考え方 |
|---|---|---|
| 表 | xが1増えたとき、yがどれだけ増えるか | 横の変化を見て、増え方を確認する |
| グラフ | 直線の傾き | どのくらいの割合で増えるかを見る |
| 式 | xの係数 | 増え方が式のどこに出ているかを見る |
表、グラフ、式を別々に暗記するのではなく、「同じ変化を別の形で見ている」と捉えると、関数の見え方が少し整理されます。
数学のストレスを減らす家庭学習の分け方
家庭で見直すときは、「何問解いたか」よりも、どこで解きにくくなったかを確認することが大切です。
- 計算はできるが、文章題になると式が作れない
- 図形問題で、補助線や注目する角度が見えない
- 関数で、表・グラフ・式の対応が分からない
- 解説を読むと分かるが、初見問題では再現できない
このような場合は、単に問題数を増やすよりも、問題文から条件を拾う練習、図や表に移す練習、式にする前の確認を入れた方が改善しやすくなります。
数学へのストレスが強いときは、最初から難問を解く必要はありません。まずは、次のように学習を小さく分けて確認します。
- 問題文を最後まで読めたか
- 何を求める問題かを言えたか
- 分かっている数を抜き出せたか
- 関係や条件を図・表に移せたか
- 式を作る前に、文字が何を表すか決められたか
保護者の方が声をかける場合も、「なぜ分からないの」と責めるより、「どこまでは分かったか」「式にする前に何を書けそうか」を一緒に確認する方が、負担を減らしやすくなります。
家庭だけでは原因の切り分けが難しい場合は、学校教材や定期テストの答案をもとに、どの段階でつまずいているかを確認する方法もあります。中高一貫校の数学を個別に見直したい場合は、中高一貫校の定期テスト対策に対応した完全1対1オンライン個別指導も参考にしてください。
よくある質問
数学だけ異常にできないのは、能力の問題ですか?
能力全体の問題と決めつけるより、計算、文章理解、条件整理、図表化、立式のどこで苦しくなるかを分けて見る必要があります。特に、解説を読むと分かるのに初見で式にできない場合は、式を作る前の整理でつまずいている可能性があります。
文章題を読んでも式が作れないときは、何から始めればよいですか?
まず、求めるものを一文で書き、次に分かっている数、関係、求めるものを分けます。その後、図、表、グラフのどれに移すと見やすいかを決めてから式を考えると、解き出しやすくなります。
公式を覚えているのに使えないのはなぜですか?
公式を記号として覚えていても、どの場面で使うものかがつながっていないと、初見問題では選びにくくなります。公式が何を表しているか、どの条件と結びつくかを確認することが大切です。
数学の勉強がストレスになっている場合はどうすればよいですか?
いきなり難しい問題を増やすより、問題文を読めたか、条件を拾えたか、図や表に移せたかを確認すると負担を分けやすくなります。解けたかどうかだけで判断せず、どの段階までできたかを見ることが大切です。
家庭だけで見直すのが難しい場合は、何を見てもらうとよいですか?
学校教材、定期テスト、答案、途中式をもとに、どの段階でつまずいているかを見ると原因が分かりやすくなります。単元名だけでなく、問題文から式にする過程を見ることが重要です。
まとめ:数学は「式の前」を見直すと動き出しやすい
数学ができない・点数が伸びないと感じてしまう大きな原因は、
- 公式や数式を「意味のない記号」として暗記してしまっていること
- 問題文の条件を、図・表・式に移し替える前に混乱していること
- 式やグラフが表す内容を、具体的な状況と結びつけられていないこと
にあります。
数学を見直すときは、いきなり式を作ろうとするのではなく、まず「何を求めるのか」「どの条件が関係しているのか」「図・表・グラフのどれに移すと分かりやすいか」を確認してみてください。
読了後にさらに見直したい場合は、次のように今の状態に合わせて確認すると進めやすくなります。
- 数学全体の勉強法を整理したい場合:中高一貫校の数学対策の全体像
- 体系数学や学校教材の進め方を知りたい場合:体系数学問題集の進め方と定期テスト対策法
- 中1段階の文字式・方程式・図形でつまずいている場合:中1数学の文字式・方程式・図形対策
- 答案や学校教材をもとに個別に原因を見たい場合:中高一貫校の定期テスト対策に対応した完全1対1オンライン個別指導

