数学ができないと就職に不利?|SPI・筆記試験で困らないための最低ラインと対策

 

「数学ができないと就職に不利になるのでは…?」と不安を抱いている方は少なくありません。実際、社会に出てから数学そのものを直接使う場面はそれほど多くないかもしれませんが、採用試験や仕事の中で「数字を扱う力」が求められる場面は想像以上に多く存在します。

このページでは、数学ができないことは就職にどの程度影響するのか、またどのレベルまで数学力を身につけておくべきかについて整理して解説します。あわせて、数学が苦手な方が今から取り組める対策も紹介します。

数学ができないことは就職に不利になるのか?

結論から言うと、「全く数学を使わないから関係ない」と言い切るのは危険です。職種によって影響の度合いは違うものの、多くの企業では採用選考のどこかで「数学的な思考」「数字への抵抗感のなさ」が見られます。

一方で、高度な数学力が必要な仕事ばかりではありません。大切なのは、

  • SPIレベルの基礎的な数学問題に対応できること
  • 数字に極端な拒否反応を示さないこと
  • 必要に応じて学び直す姿勢があること

です。「数学が得意」まで到達する必要はありませんが、最低限困らないレベルにはしておくべきと言えるでしょう。

採用試験で求められる数学力

多くの企業で数学的な問題が出題される理由

職種によっては採用試験に数学がほとんど必要ない場合もあります。しかし、ほとんどの企業の採用試験で、計算問題や数学的な考え方が必要な問題が出題されるケースが多いのが現実です。

代表的なものとしては、

  • SPIなどの適性検査(能力検査)で出題される「非言語分野」
  • 簡単な割合・比・グラフの読み取り
  • 論理的思考力を問うパズル的な問題

などが挙げられます。

数学ができないと採用試験で何が起こるか

数学が苦手だからといって対策を避けてしまうと、次のような状況に陥りがちです。

  • SPIの非言語分野で時間が足りず大量に解き残してしまう
  • 簡単な計算問題でケアレスミスが多発し、総合点が伸びない
  • 「数字が絡む問題=苦手」と感じてしまい、落ち着いて取り組めない

どんなに志望動機や人物面が魅力的であっても、採用試験の基準点を突破できなければ選考の土台に乗ることができません。職種が文系寄りであっても、少なくともSPIで出題されるレベルの数学問題は解けるように演習しておくことが必須です。

就職後に数学が苦手だと困るケース

仕事と「数字」は切り離せない

就職後の具体的な業務内容を思い浮かべると、数学の公式そのものを使う機会は多くないかもしれません。しかし、実際には多くの職場で次のような場面が日常的にあります。

  • パソコンを使った表計算ソフト(Excelなど)での集計作業
  • 売上・コスト・予算などの数値データの確認・入力・管理
  • 在庫や発注数の管理など、数量を扱う業務

もし数字を見るだけで嫌悪感を抱いてしまう状態であれば、これらの業務は大きなストレスとなり、仕事の効率も下がってしまいます。

「数学が必須」ではなく「数字に慣れている」ことが重要

もちろん、すべての仕事で高度な数学力が求められるわけではありません。しかし、

  • 簡単な計算や割合がすぐにイメージできる
  • 表やグラフを見て、おおよその傾向が読み取れる
  • 数字を使った説明や報告に強い抵抗感がない

といった力は、ほぼどの職種でも役に立ちます。数学が得意である必要はありませんが、「まったくできない」状態は避けたほうが良いと言えるでしょう。

数学が苦手でも今からできる対策

「もう数学から長く離れているから無理」とあきらめる必要はありません。就職で困らないレベルを目指すなら、次のようなステップで対策するのがおすすめです。

① 基本的な計算・割合を復習する

  • 四則計算・分数・小数・割合など中学レベルまでの基礎計算を確認する
  • 「○%引き」「○割増し」など、日常でも使う場面が多い計算を重点的に練習する

② SPIレベルの問題に慣れる

  • SPI非言語分野の問題集を1冊決めて繰り返し解く
  • 最初は時間を気にせず、問題のパターンに慣れることを優先する
  • 解き方を理解した問題は、数日あけて再度解き直すことで定着を図る

③ 数字に触れる習慣をつくる

  • ニュースのグラフや統計データを見て、内容を一文で説明してみる
  • 家計簿アプリなどを使い、自分のお金の出入りを数字として把握する
  • 興味のある分野(スポーツ・ゲーム・推し活など)のデータを集計してみる

こうした小さな積み重ねによって、「数字と仲良くなる」感覚を身につけることができます。

まとめ:将来の選択肢を広げるために数学と向き合おう

改めて、本記事のポイントを整理します。

  • 数学ができないことは、採用試験や就職後の業務で不利に働く可能性がある
  • とくに、多くの企業の採用試験でSPIレベルの数学・計算問題が出題される
  • 数学をまったく使わない職種であっても、数字への極端な苦手意識は仕事の効率を下げてしまう
  • 数学が得意である必要はないが、「全くできない」状態は避けるべき
  • 自分自身の知識を深めるためにも、就職活動を効率的に進めるためにも、将来の選択肢を広げるためにも、数学には最低限取り組んでおくことが大切

就職活動では、エントリーシート、面接対策、業界研究など、同時にこなすべきことがたくさんあります。その中で「数学ができない」ことが足かせとなり、採用試験の対策に過剰な時間を取られてしまうのは非常にもったいない状況です。

今のうちから少しずつ数学への苦手意識を和らげ、就職活動でも安心して選考に臨める状態をつくっていきましょう。

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