30分で暗記する方法|中学生・高校生のための短時間記憶トレーニング
テスト勉強や受験において、暗記は避けて通れません。ただし、暗記とは単に言葉を丸暗記することではなく、「言葉」と「内容」をきちんと理解したうえで覚えることを指します。
特に中高一貫校生は、学校の授業の予習・復習に加えて、部活動や習い事、長い通学時間などでまとまった勉強時間を確保しにくいという現実があります。そのため、勉強時間そのものを増やすよりも、「短時間で効率よく暗記する工夫」が重要になります。
学習全体の計画の立て方については、こちらのコラム(学習計画の立て方)もあわせてご覧ください。
このページでは、中高一貫校生を主な対象として、「30分で効率よく暗記する方法」をわかりやすく整理してご紹介します。
なぜ「30分暗記」が中高一貫校生に必要なのか
中高一貫校生は、次のような理由から短時間での暗記力が求められます。
- 授業の進度が速く、予習・復習の量が多い
- 部活動・習い事との両立で、自宅学習に使える時間が限られる
- 通学に時間がかかり、まとまった学習時間を取りづらい
こうした状況の中で成果を出すには、短時間で効率よく確実に暗記する力が不可欠です。「毎日30分」という現実的な時間を上手に活用できれば、勉強に縛られすぎることなく、成果を積み重ねていくことができます。
30分で暗記するための4つのポイント
① 就寝前の30分を「暗記タイム」にする
最初のポイントは、就寝前の30分を暗記専用の時間にすることです。
寝る前は記憶が最も定着しやすい時間帯と言われています。
睡眠によって脳内の情報が整理され、記憶が定着します。つまり、就寝直前に覚えたことは、次の日も比較的忘れにくいのです。
おすすめの取り組み方は以下の通りです。
- 就寝前30分を「暗記時間」と決める
- 英単語・古文単語・社会や理科の用語など、「覚えれば点数につながる知識」に絞る
- 同じ内容を何度も見直し、翌朝に軽く復習して抜けをチェックする
一方で、徹夜での勉強や一夜漬けは、時間だけを見ると頑張っているように見えますが、夜中に集中力を維持するのは身体的・精神的に負担が大きく、効率もよくありません。また、睡眠不足によって翌日の授業やテストのパフォーマンスが落ちてしまっては本末転倒です。
そのため、
- 「就寝前30分の暗記」+「しっかりとした睡眠」をセットにする
- このサイクルを毎日繰り返すことで、記憶の定着と反復練習を同時に行う
というリズムを作ることが大切です。
② 音読で「少ない量」をひたすら繰り返す
次のポイントは音読です。30分という短時間で暗記するには、
- 量をしぼること
- 声に出して繰り返すこと
が非常に効果的です。
例えば英単語の場合、
- 最初の30分は5単語だけに絞る
- 5単語を見ながら何度も音読し、意味もセットで口に出す
- 覚えたら次の5単語へ、と小さなグループで進める
というように、少ない単語を繰り返し声に出していくと効率的です。
30分という制限時間を決めるからこそ、集中して反復できるというメリットがあります。時間を区切らずに「ダラダラ音読」してしまうと、集中力も落ち、結局あまり覚えられなかったということになりかねません。
30分で確実に暗記するには、
- 量をしぼる(少ない量に集中)
- 短時間で何度も音読し、口・耳・目をフル活用する
というスタイルを習慣化しましょう。
③ 絵や図に置き換えてイメージで覚える
30分で大量の文章や単語を丸ごと覚えるのは、現実的にかなり難しいことです。そこで有効なのが、単語や文章をフロー図や絵・図に置き換えて覚える方法です。
例えば、
- 歴史の流れを「矢印付きのフロー図」にする
- 理科の用語を「イラスト」や「模式図」にして関連づける
- 英単語を、頭の中で具体的な「場面」や「イメージ」と結びつける
といった工夫です。
単語や用語だけを文字として覚えようとすると、なかなか頭に残りません。しかし、イメージやストーリーとセットで覚えると、記憶として定着しやすくなります。
30分の暗記タイムでは、
- 関連する内容を1つの図やイラストにまとめる
- その図を「見ながら」「思い浮かべながら」暗唱する
という流れを意識してみてください。単語や文章を見たときに、パッと絵や図が頭に浮かぶ状態を目指しましょう。
④ 音楽・リズムに乗せて覚える(語呂合わせ・替え歌など)
最後のポイントは、音楽やリズムを使った暗記です。メロディーやリズムと一緒に覚えたことは、あとから驚くほどスムーズに思い出せることがあります。
例えば、
- 古典の助動詞の活用形をリズムに乗せて唱える
- 元素記号や周期表を替え歌で覚える
- 歴史の重要な年号を語呂合わせで整理する
といった方法です。
ただし、音楽を聴きながら暗記するのは、集中力が散漫になりやすくおすすめできません。そうではなく、
- 自分でリズムや語呂合わせを作って口ずさむ
- 同じフレーズを何度も繰り返し、体にしみ込ませる
という形で活用するとよいでしょう。30分暗記をするときは、「音」や「リズム」の力を借りると、覚えやすさがぐっと高まります。
30分暗記を成功させるための注意点
ここまでご紹介した方法を生かすために、次のポイントも意識しておきましょう。
- ① 「詰め込むだけの暗記」にしない
暗記とは、単なる丸暗記ではなく、言葉と内容をきちんと理解して覚えることです。意味を理解せずに言葉だけを覚えようとすると、忘れるのも早く、応用も利きません。 - ② 一度に「ぼう大な量」を覚えようとしない
30分という短時間で一度に膨大な量を覚えることはできません。しかし、「絶対に暗記しておきたいこと」を絞れば、その範囲ならしっかり覚えることができます。量よりも「優先順位」を意識しましょう。 - ③ 毎日の習慣にする
30分暗記は、1回やって終わりでは意味がありません。「就寝前30分」などのタイミングを固定し、毎日の習慣として続けることで、本当の力になっていきます。 - ④ 睡眠時間を削らない
就寝前の勉強が効果的だからといって、睡眠時間を極端に削るのは逆効果です。勉強の質を高めるには、十分な睡眠が不可欠であることも忘れないでください。
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まとめ:30分暗記を習慣にして、効率よく学力を伸ばそう
最後に、このページのポイントを整理します。
- 暗記とは、言葉と内容を理解したうえで覚えることであり、丸暗記とは異なる
- 中高一貫校生は、限られた時間で効率よく暗記する力が求められる
- 就寝前30分を暗記タイムにすると、睡眠とセットで記憶が定着しやすい
- 音読で少ない量をくり返すことで、30分でも確実に覚えられる
- 絵・図・イメージに置き換えると、内容が記憶に残りやすい
- リズム・語呂合わせ・替え歌など「音」の力を使うと、楽しく暗記できる
- 一度に膨大な量を覚えようとせず、「今覚えるべきこと」に絞って取り組むことが大切
30分という短時間で一度に膨大な量を覚えることはできませんが、「どうしても覚えておきたいポイント」を確実に頭に入れることは十分可能です。自分に合った方法を組み合わせながら、毎日の30分暗記を習慣化していきましょう。

