代数計算の勉強法|移項分母払い約分因数分解を中学生向け整理版

因数分解の勉強法|共通因数・公式・途中式を中学生向けに整理

因数分解は、公式を覚えるだけでは安定しにくい単元です。式を見たときに「共通因数でくくれるか」「平方差か」「完全平方か」「二次式として考えられるか」を順番に確認できるようになると、使う方法を選びやすくなります。

このページでは、因数分解の公式と見分け方、x²+bx+cの基本的な解き方、符号を含む問題の考え方、途中式の残し方、答えを展開して確かめる方法を中学生向けに整理します。

このページで分かること

  • 因数分解とは何かを、展開との関係から確認する
  • 因数分解の公式と見分け方を早見表で比較する
  • x²+bx+cで、和と積から2つの数を探す
  • マイナスを含む問題で、2つの数の符号を判断する
  • 共通因数と公式を続けて使う問題の解き方を確認する
  • 途中式と展開による検算で、計算ミスを見つけやすくする

因数分解とは何か

因数分解とは、足し算や引き算で表された式を、かけ算の形に直すことです。展開と反対向きの計算だと考えると理解しやすくなります。

展開と因数分解の関係

展開
(x + 2)(x + 3)
= x² + 5x + 6

因数分解
x² + 5x + 6
= (x + 2)(x + 3)

因数分解では、式を見て「どのかけ算の形に戻せるか」を考えます。公式だけでなく、項数、符号、二乗の有無から式の特徴を見分けることが大切です。

因数分解の公式一覧と見分け方

因数分解の方法は、式の特徴によって変わります。「何項あるか」「二乗になっているか」「符号はどうなっているか」を比較して選びましょう。

スマートフォンでは、表を横へスクロールして確認できます。

種類 式の特徴 公式・考え方 見分ける着眼点
共通因数 すべての項に同じ数や文字がある ma + mb = m(a + b) 最初に必ず確認する 6x + 9 = 3(2x + 3)
平方差 2項で、両方が二乗、間がマイナス a² - b² = (a + b)(a - b) 真ん中の項がない x² - 25 = (x + 5)(x - 5)
完全平方 3項で、両端が二乗 a² ± 2ab + b² = (a ± b)² 中央が±2ab x² + 6x + 9 = (x + 3)²
x² + bx + c 先頭の係数が1の二次式 m+n=bmn=cなら、
x²+bx+c=(x+m)(x+n)
足してb、かけてcになる2数を探す x² + 5x + 6 = (x + 2)(x + 3)
ax² + bx + c 先頭の係数が1ではない二次式 a×cbを使って中央の項を分ける かけてa×c、足してb 2x² + 7x + 3 = (2x + 1)(x + 3)
2項ずつまとめる 4項あり、2項ずつに共通因数がある 同じかっこを作って、もう一度くくる 2つの組から同じ式が出るか ax + ay + bx + by = (a + b)(x + y)

因数分解の見分け方とコツ:式を見る順番

因数分解では、次の順番で式を確認すると、使う方法を選びやすくなります。

  1. すべての項を共通因数でくくれないかを見る
  2. 2項なら、平方差かを見る
  3. 3項で両端が二乗なら、完全平方かを見る
  4. 先頭の係数が1なら、x²+bx+cとして考える
  5. 先頭の係数が1でなければ、ax²+bx+cとして考える
  6. 4項なら、2項ずつまとめられないかを見る
  7. 答えを出した後に、さらに因数分解できないか確認する

共通因数でくくる方法

因数分解では、最初にすべての項に共通する数や文字がないかを確認します。数字だけでなく、文字や文字の次数にも注目しましょう。

例題1 数を共通因数としてくくる

6x + 9
= 3(2x + 3)
  • 6xと9の両方を割り切れる数は3です。
  • 3をかっこの外へ出し、それぞれを3で割った式をかっこの中に書きます。

例題2 数と文字を共通因数としてくくる

4x² + 8x
= 4x(x + 2)
  • 4x²と8xには、4とxが共通しています。
  • x²とxに共通する文字はxです。小さい方の次数に合わせてくくります。

共通因数を見つけるコツ

  • 数字は、すべての係数を割り切れる数を探します。
  • 文字は、すべての項に含まれているものだけを選びます。
  • くくった後も、かっこの中をさらに因数分解できないか確認します。

平方差を見分ける方法

平方差は、2つの二乗の差になっている式です。「2項」「両方が二乗」「間がマイナス」の3点を確認します。

例題3 平方差の公式を使う

x² - 25
= x² - 5²
= (x + 5)(x - 5)
  • x²はxの二乗、25は5の二乗です。
  • a²-b²=(a+b)(a-b)の形に当てはめます。
  • かっこの符号は、片方がプラス、もう片方がマイナスになります。

平方差で確認すること

  • 式が2項でできているか
  • 2つの項がどちらも二乗の形か
  • 項と項の間が足し算ではなく引き算か

x²+25のような二乗の和には、平方差の公式は使えません。

完全平方を見分ける方法

完全平方は、同じ式を2回かけた形に直せる式です。最初と最後の項が二乗になっているだけでなく、中央の項が2abまたは-2abになっているかを確認します。

例題4 プラスの完全平方

x² + 6x + 9
= x² + 2・x・3 + 3²
= (x + 3)²
  • x²はxの二乗、9は3の二乗です。
  • 中央の6xが2・x・3になっていることを確認します。

例題5 マイナスの完全平方

x² - 8x + 16
= x² - 2・x・4 + 4²
= (x - 4)²

中央の項がマイナスの場合は、因数分解したかっこの中もマイナスになります。

平方差との違い

  • 平方差:2項で、二乗と二乗の間がマイナス
  • 完全平方:3項で、中央が±2ab

x²+bx+cを因数分解する方法

x²+bx+cの形では、足してb、かけてcになる2つの数を探します。基本的なプラスの例から考え方を確認しましょう。

(x+m)(x+n)を展開して考える

(x + m)(x + n)
= x² + nx + mx + mn
= x² + (m + n)x + mn

この展開結果から、m+n=bmn=cとなる2つの数を探せばよいことが分かります。

例題6 x²+5x+6を因数分解する

足して 5、かけて 6 になる数
→ 2 と 3

x² + 5x + 6
= (x + 2)(x + 3)
  1. 定数項6になるかけ算を考えます。
  2. 1と6は足すと7、2と3は足すと5です。
  3. 和が5、積が6になる2と3を選びます。
  4. 2と3を使い、(x+2)(x+3)とします。

符号があるx²+bx+cの因数分解

マイナスを含む場合も、足してb、かけてcになる2つの数を探す点は同じです。先に積の正負から、2つの数の符号を考えると探しやすくなります。

積から符号を判断する

  • 積が正:2つの数は同じ符号
  • 積が負:2つの数は異なる符号
  • 積が正で和が正なら、2つともプラス
  • 積が正で和が負なら、2つともマイナス

例題7 積が正で和が負になる場合

x² - 5x + 6

足して -5、かけて 6 になる数
→ -2 と -3

x² - 5x + 6
= (x - 2)(x - 3)

積がプラスで和がマイナスなので、2つの数はどちらもマイナスです。

例題8 積が負になる場合

x² - x - 6

足して -1、かけて -6 になる数
→ -3 と 2

x² - x - 6
= (x - 3)(x + 2)

積がマイナスなので、2つの数の符号は異なります。絶対値の大きい方をマイナスにすると、和が-1になります。

先頭の係数が1でない二次式の因数分解

ax²+bx+cの形では、先頭の係数aと定数項cをかけ、その積と中央の係数bを使って2つの数を探します。

例題9 2x²+7x+3を因数分解する

先頭の係数と定数項をかける
2 × 3 = 6

かけて 6、足して 7 になる数
→ 6 と 1

中央の7xを6xとxに分ける
2x² + 7x + 3
= 2x² + 6x + x + 3
= 2x(x + 3) + 1(x + 3)
= (2x + 1)(x + 3)

なぜ7xを6xとxに分けるのか

  1. 先頭の係数2と定数項3をかけて6を作ります。
  2. かけて6、足して7になる6と1を探します。
  3. 中央の7xを6xとxに分けます。
  4. 前半と後半をそれぞれ共通因数でくくります。
  5. 同じ(x+3)ができたら、もう一度くくります。

中央の項を感覚で分けるのではなく、a×cbを使って理由を確認することが大切です。

2項ずつのまとまりで因数分解する方法

4項ある式では、前半と後半を2項ずつに分け、それぞれを共通因数でくくると同じかっこが現れることがあります。

例題10 同じかっこを作る

ax + ay + bx + by
= a(x + y) + b(x + y)
= (a + b)(x + y)
  • 前半のax+ayは、aでくくります。
  • 後半のbx+byは、bでくくります。
  • 共通する(x+y)を、もう一度くくります。

共通因数と公式を続けて使う問題

実際の問題では、共通因数でくくっただけでは終わらず、かっこの中に平方差や完全平方が残ることがあります。くくった後に、もう一度式の形を確認しましょう。

例題11 共通因数の後に平方差を使う

2x² - 18
= 2(x² - 9)
= 2(x² - 3²)
= 2(x + 3)(x - 3)
  • 最初に共通因数2でくくります。
  • かっこの中のx²-9は平方差です。
  • 2(x²-9)で止めず、最後まで因数分解します。

例題12 共通因数の後に完全平方を使う

3x² + 12x + 12
= 3(x² + 4x + 4)
= 3(x² + 2・x・2 + 2²)
= 3(x + 2)²
  • 最初に共通因数3でくくります。
  • かっこの中のx²+4x+4は完全平方です。

因数分解の途中式はどこまで書くか

途中式は、長ければよいわけではありません。どの方法を選んだか、どの数を使ったか、どこで符号を決めたかを後から確認できる量を残すことが大切です。

共通因数だけを使う場合

8x² + 12x
= 4x(2x + 3)

何を共通因数としてくくったかが答えから分かるため、通常は1行で構いません。

x²+bx+cの場合

足して -5、かけて 6
→ -2、-3

x² - 5x + 6
= (x - 2)(x - 3)

符号を間違えやすい間は、探した2つの数を余白や途中式に残すと復習しやすくなります。

ax²+bx+cの場合

2x² + 7x + 3
= 2x² + 6x + x + 3
= 2x(x + 3) + (x + 3)
= (2x + 1)(x + 3)

中央の項をどのように分けたかが重要なので、その行は省かずに残す方が安全です。

自習では、間違えた原因を後から追える量を書きます。提出物や試験で求められる途中式の量は、学校や担当教員の指示も確認してください。

因数分解の答えを展開して確かめる

因数分解は展開と反対向きの計算です。答えを展開して元の式に戻れば、因数分解が正しくできているかを確認できます。

二次式の検算

(x + 2)(x + 3)
= x² + 3x + 2x + 6
= x² + 5x + 6

中央の項が5x、定数項が6に戻ることを確認します。

平方差の検算

(x + 5)(x - 5)
= x² - 5x + 5x - 25
= x² - 25

中央の-5x+5xが打ち消し合うため、2項の式に戻ります。

検算で確認したい点

  • 元の式と各項の係数が一致しているか
  • プラスとマイナスの符号が一致しているか
  • 中央の項が正しく戻っているか
  • 共通因数を取り残していないか

因数分解でよくある間違い

  • 共通因数を確認せず、すぐに公式を探している
  • 積が正か負かを確認せず、2つの数の符号を間違えている
  • 完全平方で、中央の項が本当に±2abかを確認していない
  • ax²+bx+cで、中央の項を分けた理由が分からないまま進めている
  • かっこの中をさらに因数分解できるのに、途中で答えとしている
  • 答えを展開して確かめず、符号や係数の間違いを見逃している

整数の組では因数分解できない式もある

x²+x+1では、足して1、かけて1になる整数の組はありません。

すべての二次式が、整数の組を使って因数分解できるわけではありません。数が見つからない場合は、問題の条件や学習範囲を確認し、無理に数を当てはめないようにしましょう。

因数分解の確認問題

次の式を因数分解してください。答えを出す前に、最初にどの特徴を見たかも確認しましょう。

  1. 8x + 12
  2. x² - 49
  3. x² - 10x + 25
  4. x² - x - 6
  5. 2x² + 5x + 2
  6. 3x² - 27
確認問題の解答を見る
  1. 8x + 12 = 4(2x + 3)
    最初に、8xと12の共通因数4を見ます。
  2. x² - 49 = (x + 7)(x - 7)
    2項がどちらも二乗で、間がマイナスなので平方差です。
  3. x² - 10x + 25 = (x - 5)²
    両端が二乗で、中央が-2・x・5なので完全平方です。
  4. x² - x - 6 = (x - 3)(x + 2)
    足して-1、かけて-6になる-3と2を使います。
  5. 2x² + 5x + 2
    2×2=4より、かけて4、足して5になる4と1を使います。
    2x² + 5x + 2
    = 2x² + 4x + x + 2
    = 2x(x + 2) + (x + 2)
    = (2x + 1)(x + 2)
  6. 3x² - 27 = 3(x + 3)(x - 3)
    最初に3でくくり、かっこの中のx²-9を平方差として因数分解します。

因数分解の復習方法

公式別の問題だけを続けると、どの公式を使うかが最初から分かってしまいます。基本を確認した後は、複数の形が混ざった問題で見分ける練習をしましょう。

復習時のチェック項目

  • 最初に共通因数を確認したか
  • 項数と符号を確認したか
  • 積と和を満たす2つの数を説明できるか
  • 中央の項を分けた理由を説明できるか
  • 最後まで因数分解できているか
  • 展開して元の式に戻るか確認したか

復習記録の残し方

スマートフォンでは、表を横へスクロールして確認できます。

問題 最初に見た特徴 次回の注意点
例:① 共通因数/平方差/完全平方/二次式 くくり忘れ/符号の見落とし
例:② 積と和/中央の項を分ける 2数の符号/途中式不足
例:③ 共通因数の後に公式 かっこの中を最後まで確認

正解か不正解かだけでなく、「最初に何を見たか」を残すと、公式を選ぶ力の復習になります。

中高一貫校で因数分解が重くなりやすい理由

因数分解が苦手な生徒さんには、公式は覚えていても形を判断するまでに時間がかかる、符号を整理できない、途中式を省いて間違いの原因を追えないといった傾向があります。

中高一貫校では学校進度が速く、式の扱いが一気に複雑になることがあります。特に、体系数学などを使っている場合は、計算の正確さだけでなく、途中式の筋道や解法の説明まで求められる場面が増えやすくなります。

因数分解は、方程式、関数、二次方程式などにもつながります。単に答えを合わせるだけでなく、どの見方で式を見たかを説明し、同じ方法で解き直せる状態まで持っていくことが大切です。

家庭で見直せる段階か、外部サポートを入れる段階かを見たい場合

因数分解のように、やり方の整理で持ち直せる段階なのか、学校進度に合わせて個別に見た方がよい段階なのかを切り分けたい場合は、こちらの判断材料ページも参考になります。

中高一貫個別指導の判断材料ページを見る

学校の進度に合わせて、計算全体の見直しや教材別の対策が必要な場合は、数学の学校対策もあわせてご確認ください。

因数分解のよくある質問

因数分解では最初に何を確認しますか

すべての項に共通する数や文字がないかを最初に確認します。共通因数でくくった後に、平方差、完全平方、二次式などの形を見ます。

因数分解の公式は全部暗記する必要がありますか

基本公式を覚えることは必要ですが、暗記だけでは問題ごとに公式を選べません。項数、二乗の有無、中央の項、符号を見て判断できるようにすることが重要です。

平方差と完全平方はどう見分けますか

平方差は2項で、二乗と二乗の間がマイナスになっています。完全平方は3項で、両端が二乗、中央の項が±2abになっているかを確認します。

x²+bx+cでマイナスがあるときはどう考えますか

まず積であるcの正負を見ます。積が正なら2数は同符号、積が負なら異符号です。そのうえで、2数の和が中央の係数bになる組を探します。

因数分解の途中式は必要ですか

自習では、どの公式を選んだか、どの2数を使ったか、中央の項をどう分けたかを確認できる量を残すと効果的です。提出物や試験では、学校や担当教員の指示も確認してください。

因数分解の答えが合っているか確認する方法はありますか

因数分解した答えを展開し、元の式に戻るかを確認します。中央の項、符号、係数が一致しているかを見ましょう。

公式を選べないときは、どのように復習しますか

複数の形が混ざった問題を解き、「最初に見た特徴」を記録します。公式ごとの練習だけでなく、使う方法を自分で選ぶ練習が必要です。

まとめ:因数分解の勉強法で押さえたいポイント

  • 因数分解では、最初に共通因数でくくれるかを確認します。
  • 項数、二乗の有無、中央の項、符号を見て公式を選びます。
  • x²+bx+cでは、足してb、かけてcになる2つの数を探します。
  • マイナスを含む場合は、積の正負から2つの数の符号を考えます。
  • ax²+bx+cでは、かけてa×c、足してbになる数を使って中央の項を分けます。
  • 共通因数でくくった後も、かっこの中をさらに因数分解できないか確認します。
  • 途中式を残し、答えを展開して元の式に戻るかを確かめます。


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